犬と山に避暑しに行ったはずが,汗だくになってきたその日,戻ってきてから実家でシャワーを借りて,そのあとなにげにテレビでオリンピックのゲームを見た.レスリングの決勝.
自宅にテレビが無いので、とんでもなくオリンピックに無知.きたじまこーすけくんの種目が平泳ぎなのもしらなかったくらいなのだ.で、新鮮なもんで、オリンピック観戦にはまって、見続けた.テレビ・リバウンド.
土曜日の午後→レスリング
土曜日の夜→陸上、野球
土曜日の夜中→テニスとバスケット(見てる間に寝てしまった)
日曜日の午前→マラソン、競泳、レスリング
日曜日の午後→ソフトボール、卓球
日曜日の夜→体操、ハンマー投げ
勝負の世界に生きるひとは、かっこいいもんだなーとあらためて感心しながら、実家のテレビの前にいつづけた.テレビってすごいなー、とも思った.
さて、見ながら気づいたこといくつか.
まず、見始めた直後、選手が日本人だろうが、ほかの国だろうが、関係なく勝った人を祝福する自分がいた.ごく自然に.それなのに、見続けているうちに、やっぱり自分の国を応援していた.
日本人が「日本の」選手を応援するのは当然と思いつつ、でも、オリンピックを見続ける前は、日本人ということを意識せず、且つ、勝負中のひとたちが何人かを意識しない自分があったので、それを対比すると、違和感を感じた.
日常生活にテレビや新聞に接触しない生活していると、国境とか意識しなくなるのだろうか.ともかく、国民という感覚もなく、シンプルに個人対個人を応援している自分がいる、というのが面白かったし、また、テレビ見始めたら、国民として自国の選手を応援するようになっていったのもおもしろい.メディアの威力かな.
それから…以前は深く洞察しなかったのだけど…メダルのかかった試合を見てたとき、やたらと、中国系のひとがかかわっていることに気づいた.それも中国としてではなく、オーストリアだったり、カナダだったり、日本だったり、アメリカだったり.
…いや、言いたいのは中国系が多いことではなく、民族ってなにさ、って感覚がふと湧いた.
中国系じゃなくても、韓国系だけど韓国人じゃなかったり、フランス人の黒人だったり.中国系の日本人なんかもいた.黒人の日本人が出てきたら、たぶん、違和感出てくるんだろうな、と.で、そうなると…「日本人」がんばれって言ってるけど、世界中で人種とかがシャッフルされてきているわけで、国別対抗って、なんだか変な感じだ.もちろん、チームとして、区分があったほうが面白いので、その意味で、国別ってくくりはいいと思う.
つまり、ここで、ポストモダニズムとかの発想を持ち込むつもりではなく、シンプルに、国別って言ってるけど、そもそももともとは同じルーツのひとたちが勝負するのに、「国」ってくくりで勝負してるのが、おもしろく見えただけなのだが.
ところで、日本.1億2千万人のこの国よりも、その半分の人口の韓国よりも、メダルが少ない.不思議である.中国もアメリカもメダルが多い.人口が多いのだから、メダルが多いのは比例していて、至極当然である.しかし、韓国よりも日本がメダルが少ないのが不思議である.なぜだろう.
その答えは特にないのだけど、強くする方法は…陸上を強くしたいなら、黒人で速そうなひとに日本人になってもらうってのはどうだろう?水泳を強くしたいなら、オーストラリア人(と、言っても、彼らはほとんど移民だけど)に日本人になってもらえばいいんじゃないか?私立の高校では、スポーツ特待生とかいって、そんなことやっている.同じことを世界規模でやるっていう発想で.
それは日本人じゃない…っていったら、アメリカもオーストラリアもカナダもマレーシアもイギリスもフランスもドイツも成立しなくなっちゃう.だから、日本もそれでいけばいいんじゃなかろうか.
なーんてことを、オリンピックをテレビで見続けながら、ぼやっと考えたりしておりました.ともかく、あっちこっちに移動して所属を変えているひとがたくさん存在するこの世界で、「何々人」っていうくくりで見ると、不思議だなーとか思ったりしたのでした.
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自宅に帰ってから、まだオリンピック見たくって…でも、テレビは頭脳の毒であるので、テレビを入れるつもりもなく…考えた末、ラジオで実況を聞くことにした.想像力も働くし、結構おもしろい.