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評価:
小野田 博一
PHP研究所
¥ 1,155
(2006-09-21)
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誰かになにかを言われたとき、もっともな考え方だ、と思いつつ、なにか腑に落ちないことがある。
そのとき、相手になぜそうかんがえるのか、聞き返すと、腑に落ちない理由がわかるときがある。ありがちなのが、暗黙の前提が省略されていて、その前提が社会通念だったり、常識であるが、よくよく考えるとその前提自体が、非論理的なパターン。たとえば、社会ってそういうもんでしょ、親子ってそういうもんでしょ、会社ってそういうもんでしょ、男女ってそういうもんでしょ、などなど。この場合、自分も社会通年などを無意識に受け入れているため、非論理的であることに気づかない。それは、もっともらしく聞こえ、説得力があるように受けとめているが、実は、肝心の前提が論理的ではなく、詭弁なのである。
相手が自分にとって、権威がある場合、思考停止してしまうから、注意がいる。
なんかしっくりこない、と思ったら、なぜそう考えるのか聞くのがよい。追い詰めるのではなく、分からないから教えてもらう。聞くことで、見えなかった、相手の持っている前提が見える。それで腑に落ちるなら「なるほど、それがあなたの前提なのですね」と言えばいいし、まだ納得いかないなら、更になぜそう思うのか聞けばいいし、さらには、その前提を受け入れがたいなら、反論すればいい。ただし、反論するなら、今度はこちらが前提を覆す理由を挙げる必要がある。
日々、情報を受け取り、集団の発想に流され、前提が無意識に作られてしまうので、詭弁には要注意。